隣接三項間漸化式の線形的アプローチ
の漸化式を満たす実数列を考察する。
まず、数列とが(1)を満たすとする。このとき、任意のに対して
を満たす。本来はまだ確かめる条件はあるが、殆ど自明であることばかりなのでそれらは割愛する。これら2式から、(1)の解の集合は上のベクトル空間であることが分かる。なお、の加算と乗算について
と定義した。
次に、、つまりの基底の個数を考える。は(1)からとによって一意に定まる。よっての元はとの関数でありと表せる。これをもとに乗算と加算をみると
が成立する。これらは
から分かる。ここからという写像を考えることが出来て、さらに、は全単射かつ線形であることが確かめられるので、は同型写像、またとは同型であるといえる。よって
が示される。
つまり(1)を満たす一次独立な数列を2つ見つければ他の解の数列はそれらの一次結合で表される。具体的に解を2つ求めよう。
としてという解を仮定してみると、(1)に代入することで
となり、両辺をで割れば
という式を得る。これは特性方程式と呼ばれる方程式である。この解を
と表す。
隣接三項間漸化式の線形的アプローチ(2)へ続く