Maxwell方程式の高次元化(Minkowski次元)
Minkowski次元を導入する。相対性理論がかかわってくるがそこには深く踏み込まない。Minkowski次元とは時間と空間を4次元空間を表す方法の一つ。空間座標を とし、時間座標を とする。これを と表現し、4元ベクトルと呼ぶ。また、このように添え字が上に付くベクトルを反変ベクトルと呼ぶ。対して、添え字が下に付くベクトルを共変ベクトルという。これらの違いは座標変換を考える際に重要になるが今回はそこも突っ込まない。
先のページで
を導出した。ここで、 と定義すれば
さらに、Minkowski計量と呼ばれる2階テンソル
を定義する。行列とテンソルの違いは、これまた変数変換の際に最も明らかになる。そしてこの計量を用いれば
と書ける。ここで、Einsteinの縮約という記法を紹介する。ギリシャ文字の共通の添え字が上下にあれば、その添え字については0から3までの和をとり、ラテン文字の添え字は1から3までの添え字の和をとるという規則である。例えば
と、このようになる。この規則を用いればd’Alembert演算子は
と書ける。4元ポテンシャルを
と、4元電流密度を
と定義すれば、Maxwell方程式は
とまとめられる。 については和をとらないので、結局4本の連立方程式からなることが分かる。また、Lorenzゲージ条件は
となる。また、ゲージ条件を課さない場合では、Maxwell方程式は
であったのを思い出すと、この式は
とまとめられる。ここで
というテンソルを定義すれば
となる。