Maxwell方程式の高次元化(Lorenzゲージ)
このページではMaxwell方程式
の第二式、第三式を用いて、スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルを
が成り立つとした。
これを第一式に代入すると
また、第四式に代入すれば
ここで
となるようにゲージを定める(これをLorenzゲージ条件という)。ポテンシャルの不定性を捨てることにより、第一式は
また、第四式は
と表せる。第二式と第三式についてはポテンシャルの定義から示せるので、結局スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルを用いれば、Maxwell方程式は
と簡潔にまとめられる。なお はd'Alembert演算子であり
と定義される。
Maxwell方程式の高次元化(ゲージ変換)
3次元においてはMaxwell方程式は
と与えられる。ここまでの導出は諸々の本なりサイトに書かれているので割愛しよう。
さて、この2の場(電場と磁場)の式を2つのポテンシャル(スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャル)で表される式にする。
まず
より
を満たすベクトルポテンシャル が存在する。
また
にベクトルポテンシャルを代入して
より
を満たすスカラーポテンシャル が存在する。任意関数 に対して
という変換をしても
と磁場電場共に影響を受けないためMaxwell方程式も成立する。つまり二つのポテンシャルは任意関数 の不定性がある。この変換のことをゲージ変換という。
様々な形の静電容量(導体円板)
半径の導体円板に電荷を与える。円板は半軸がである楕円体と考えることができ静電容量は様々な形の静電容量(楕円体導体)からすぐにだせるのだが、後のために今一度電位から求める。
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円板がつくる等電位面群はを用いて
と表せた。これはについての2次方程式であり
でより
がわかる。と円筒座標に変換すれば
また電位は
(1)を代入すれば
となる。これにを代入しに注意し計算すれば円板の電位を得る。
よって円板導体の静電容量は
である。この円板の軸上()の電場を求める。円板の対称性より電場は方向にしか存在しない。つまり、軸上ではである。またであるのでは(2)より
である。
様々な形の静電容量(楕円体導体)
さて、楕円体導体がつくる等電位面は焦点を共有する楕円体であることはしめした。
c-and-a.hatenablog.com
ここで導体の表面が
で表される楕円体導体に与えられた電荷をとする。このとき電位は上の証明をする際に用いた関数を用いて
と表せた。
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であったので
となる。孤立導体では無限遠点との電位差を考えるのでは無限遠からへの積分になので
となる。原点から十分に離れた点ではが成り立つので等電位面の方程式
からが分かる。また原点から十分に離れた点からは楕円体導体も点電荷に見做せるので電位は
となる。また
であるので、2式を見比べて
を得る。よって電位は
となり、導体の電位はを代入し
つまり静電容量は
と計算できる。
楕円体導体がつくる等電位面
半軸がの楕円体導体をかんがえる。このとき、楕円体の表面は
という方程式で表される。また、この楕円体と焦点を共有する楕円体群はを用いて
と表される。
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この曲面群が等電位面群であることを示す。
とかけるので
ここで
とおけば
となる。2階の偏微分は
の偏微分について
となるので
とおけば
を得る。(1)から
また(2)から
が求まるのでは
とのみであらわせるので曲面群
は等電位面群である。