隣接三項間漸化式の線形的アプローチ(2)
隣接三項間漸化式の線形的アプローチの続き。
c-and-a.hatenablog.com
(i) のとき
、つまりとなり
である。また、とすると、はより、写像により、同様にとなる。ここで、(2)より
となるは存在しない。つまりとは一次独立であり、とも一次独立であるといえる。
よって、一次独立な2解を得ることが出来たので(1)の一般解はを用いて
と表せる。
また、またはだった場合、解と係数の関係よりとなる。このとき他方の解はである。より、数列は(1)の解である。また、(1)をみると、より
となり、も(1)の解であることが分かる。この2つの数列は明らかに一次独立であるので、(1)の一般解はを用いて
と表せる。
(ii) のとき
となるので、(1)は
となる。つまりとなり、一次独立な数列が1つしか見つからない。この数列はと表せる。しかし、であるので、まだ一次独立な解はあるはずである。そこで、その解をと書けると仮定しよう。すると(13)は
両辺をで割れば
となる。が解の一つであることが確認できるので、とおける。
よって、一次独立な2解を得ることが出来たので(1)の一般解はを用いて
と表せる。
また、だった場合、解と係数の関係よりとなるので、(1)は
という形になる。二つの数列
はこの漸化式をみたすので、一般解はを用いて
と表せる。
(iii) のとき
解は実数列という条件であったが、が複素数になるので、数列は実数列でないために属さない。しかし、とはが共役であることから実数となる。これを用いて、実数列を
とすることで構成できる。
また、逆にとは純虚数になるので、実数列を
と構成できる。これら2つの数列は一次独立であるので(1)の一般解はを用いて
と表せる。また、とすれば
となる。